視点・論点

株主名簿(シーガイアシリーズNO.11)

1. 株 主 名 簿

   フェニックスリゾート株式会社(第3セクター・シーガイアグループ)
  に対して(財)宮崎コンベンション・ビューローは平成12年1月26日 宮
  崎県から交付を受けた60億円の中から25億円を同社に対して助成(プレ
  ゼント)した。
  私は今回、シリーズの連載に当たって「公的資金の投入」といった言葉
  を用いないよう努めてきた。それはマスコミが一般的に使っている銀行
  に対する政府からの「公的資金の投入」とは本質的に異なるからである。
   さて、同社は25日になって第6期から第11期までの「株主総会議案書」
  なるものを同社内に於いて広く県民に公開することを発表し、25億円がプ
  レゼントされた26日にこれを閲覧に供した。
  私は一番最初に同社を訪れ、一通り目を通した。
  なんのことはない、株主なら誰れにでも先方から勝手に送られてくる年に
  1回の定時株主総会の議案書である。しかも、コピーも許可されず、ただ
  ひたすらメモをとるのみの情報公開であった。
  その中からいくつか私にとって関心を寄せたものを紹介する。

NO. 株 主 名 株 数 割 合
1 フェニックス国際観光(株) 1,548 25.8%
2 宮 崎 県 1,500 25.0%
3 宮 崎 市 1,500 25.0%
4 旭 洋(株) 912 5.2%
5 全 日 空(株) 60 1.0%
6 (株)テレビ宮崎(UMK) 60 1.0%
7 丸 十 産 業(株) 60 1.0%
8 三重野商事(株) 60 1.0%
9 宮 崎 ガ ス(株) 60 1.0%
10 (株)宮 崎 銀 行 60 1.0%
11 宮 崎 交 通(株) 60 1.0%
12 (株)宮崎日日新聞 60 1.0%
13 (株)宮 崎 放 送(MRT) 60 1.0%
2. 議案書で目についたこと    第11期定時株主総会の議事録によると、司会者が宮崎市長 津村重光様    御挨拶となっていたことであった。   「取締役 津村 重光様」ではないのだ。   したがって、すでに多くを語ることを要しないが、彼こそ私達宮崎市民の   代表として25%の株主として株主総会に出席されたのである。   この定時株主総会の議案書の情報開示を求めて、元県議会議員の谷口氏は   今、最高裁で争っておられる。谷口氏は私の電話インタービューに応じて   「この程度の内容でさえ、県は公開しないのだからなー」と深い溜息と共   に語っておられた。   どれだけお金と時間と労力を要したであろうか。   あまりにも悲しい現実である。   尚、谷口氏は地裁、高裁ともに勝訴されておられる。当然のことである。   さて、宮崎市長 津村重光氏の総会出席に話しを戻したい。   私が市長なら(株主総会の記録によると、11時45分から始まり、12時15分   に無事終了したとある)この資料を市庁舎に帰ったら約2時間以内に宮崎市   のホームページに登録するように職員に命ずるであろう。   最高裁まで争う必要もなく、私もシーガイアまでCO2を排出し、ガソリン   を使い、交通渋滞に巻き込まれることもなく、別な仕事に時間を有効に使   えたであろう。   あまりにも悲しい現実だ。 3. 退 職 慰 労 金    同社の取締役全員が議決書にサインをして「印」を押しておられる。   指で押さえて数えなければ間違える程の取締役の多さである。実に25名も   サインがしてあった。   「○○○○氏は、今期で退職されますので、内規により慰労金を贈呈した   いと思います。金額や支払時期については取締役会に一任を戴きたい。」   とこれは何にも珍しいものではなく、どこでもやっていることだ。   ただ一つだけ、他社と違うのは、なにせ1,115億円の巨大な累積赤字でも、又   退職慰労金をもらっても取締役は「株主訴訟」を起こされないということ   である。   12時15分からは皆さん一緒に楽しい食事をされたのであろうか-----あの   45階の展望室から 4. 公的資金について    政府の銀行に対する公的資金の投入は非常に優れたシステムだと私は思   う。   そこで、1999年12月3日付 朝日新聞の記事を参考までに載せておきたい。  公的資金 民間企業になぜ注入     株買って地域経済支える   弟 熊本ファミリー銀行が公的資金(三百億円)の注入を申請したと新聞     にでている。    九州では初めてだそうだけど、どういうこと。   兄 経営が悪化した銀行を国が手助けして立て直すんだ。全国規模の大手     銀行は今春に、琉球銀行や足利銀行など四つの地方銀行は九月に、同     じように公的資金の助けを借りた。   弟 銀行も株式会社でしょ。父さんの勤める会社も不況で大変なのに国は     助けてくれないよ。   兄 銀行の仕事は公共性が高い。広く預金を集めるだけでなく、集めたお     金を父さんの会社に貸したり、預金した人に利子を払ったり、お金を     会社に循環させる役割を果たしている。人の体でいえば心臓だね。銀     行がおかしくなると社会全体がおかしくなる危険があるんだ。   弟 お金を銀行にあげちゃうの。   兄 そうじゃない。銀行が出す株を国が買って代金を渡す形をとる。国は     株主として毎年、配当がもらえるし、銀行は経営が安定したら国から     株を買い戻すことができる。   弟 発行酵するのは優先株だと記事にあった。   兄 普通の株に比べて、配当や銀行が解散して残りの財産を分ける場合に     有利な条件が適用されるんだ。その代わり、株主総会では反対や賛成     をいう資格がない。銀行は経営について国からあれこれいわれずに済     む。ただ今回、熊本ファミリー銀行が出す優先株は、将来、普通株に     転換できる条件がついている。きちんと経営しないと、あとで国が普     通の株主になって注文をつけますよ――そんな感じかな。   弟 どうして熊本ファミリー銀行はピンチになったの。   兄 取引先の企業が倒産したりすると、銀行には貸したお金が返ってこな     い。不良債権だね。もちろん銀行にはある程度の備えがある。けれど     も企業の経営の悪化や倒産が予想を超え、銀行が健全な取引先にお願     いして集めた(第三者割り当て増資による)百四十億円では足りなく     なった。   弟 他行に比べて甘かったんだね。   兄 もともと肥後ファミリー銀行と熊本銀行が七年前に合併してできた。     ほかの銀行が健全な経営をめざして行員や店減らしに努めているのに     、行内が一つにならず大変だったようだ。県内トップの肥後銀行に追     いつこうと無理な貸し出しもした。今回提出されたリストラ計画によ     ると、2003年3月までに従業員を238人減らし、店も11店閉める。これ     からが正念場だね。 ■熊本ファミリー銀行のリストラ計画■ 1999年 2003年 3月期 3月期 役員数 18人 12人(▼ 33.3) 従業員数 1,703人 1,465人(▼ 14.0) 人件費 117億円 102億円(▼ 13.5) 店舗数 90店 79店(▼ 12.2) 物件費 85億円 78億円(▼ 8.8) 業務純益 104億円 117億円(▼ 12.9) 自己資本比率5.47% 9.08%(▼ 3.61) <注>カッコ内は99年3月期と比べた増減率(単位・%) 自己資本比率は差(単位・ポイント)
検 索 の た め の K E Y W O R D
株主総会 シーガイア 情報公開
谷口氏一人での戦い 最高裁 公的資金
退職慰労金 取締役25名 市民代表としての市長
                 2000年1月29日                  アグロアドバイザー                  一ノ瀬 正輝                  E-Mail:ichinose@miyazaki21.com                  所属学会                  日本気象学会・日本農業気象学会                  統計学会・日本リモートセンシング学会