1.同じカマの仲間たち
アルコール造りは、まず麹菌によって原材料を糖化する。次に酵母菌に
よってその糖をアルコールに変化させる。これを「酒母」という。
ここまでは、清酒も焼酎もみんな同じ過程を踏む。
その後、清酒はこの「酒母」を絞ってアルコールを取り出す。但し、多く
の他の微生物が未だ残っているので「火落ち」といって一旦加熱して、殺
菌したものが一般の清酒といわれているものだ。
清酒の中でも「冷酒」といわれているものは「酒母」から絞ったアルコー
ルを冷却して、他の微生物の活動を停止させてしまうものを冷酒と呼んで
いる。
そのため、流通の過程でも冷蔵庫の中で流通させる必要がある。一旦、常
温にもどしてしまうとたちどころに他の微生物(一般に雑菌)が暴れだし
て風味を変化させてしまう。
さて、「酒母」を蒸留器に入れて減圧するか又は加熱して水蒸気を発生
させその水蒸気を水で冷却するとアルコールが分離され、そのアルコール
がウイスキーや本格焼酎の原酒というわけだ。
ここでウイスキーはオーク材で作られた樽で熟成させ、オーク材から出
る物質によって染色されたものが、あの「琥珀色」したウイスキーとなっ
て私達に味や色を楽しませてくれる。
さて、「酒母」を1回だけ蒸留器に掛けて、取り出したアルコールを「
焼酎」と呼んでいるのだが、正式には「焼酎乙類」ということになる。
乙があれば当然甲があるわけだが、繰り返し2〜3回蒸留して純度の高い
アルコールにしたものを「焼酎甲類」と呼んでいる。(注:酒税法で決め
られている)
乙類を何故、本格焼酎と呼ぶかというと、たぶん私の聞いた話では、1
回だけの蒸留では未だ多くの成分が含まれており、これが味や香りに大き
く寄与している。すなわち、本当の「辛党」は乙類を好む本格派だからだ
と言われている。
2.微生物の小便
すでに御理解戴いたようにウイスキーも清酒も焼酎も原料−酵母菌−酒
母までは、まったく同じである・・・ということだ。(注:但し、ウイス
キーの糖化は「麦芽」による。)
試しに「本格焼酎」を樽に入れて1年以上熟成させてみて欲しい!! きっ
と、あなただけの「本格ウイスキー」に確実に変身するはずだ。
すなわち、私達は微生物のタラした「小便」を美味しい美味しいと言って
毎日飲んでいるわけだ。
3.コンピュータが造った焼酎
井上酒造の製造工場は原料から最終段階まですべて私達が開発したソフ
トウェアでコントロールされており、大きな工場には1〜2名の監視員が
いるだけで完全にコンピュータによって微生物が発する熱をコントロール
している。
私達は今までの体験から多くの学習をすることが出来た。
イ.最高の収得率はイコール最高の品質である。
収得率とは原材料1トンから何リットルのアルコールが得られるか・・
ということだが、工場を制御するコンピュータの学習機能によって、毎日
実施しているアルコールの感能検査による風味(まろやかさ、香り、渋味
、苦み、甘さ、辛さ、粘り等々)の数値データと収得率には深い相関があ
ることが判った。
ということは、杜氏さんの感より確実に生産性が良くなり、風味まで自由
にコントロールすることがコンピュータの学習機能によって可能になった
ということだ。
ロ.一般に「酒蔵」といわれるものは「伝統」とか「神秘的」とか杜氏さん
の「個有の文化」だとか、といったイメージがある。
ところが、「酒造り」は最も科学的であり、論理的である……ということ
が判った。
杜氏さんの感性はとても大切だけれども未知のもの、未だ科学的に証明さ
れていないものに対して「神」に頼るのは今古東西、変わらないが決して
「暗い土蔵の中」で杜氏さんが造る酒が「銘酒」であるとは言えないとい
うことだ。
数百億個の微生物がどのような組合わせでアルコールと言う小便をタレる
かは確かに神秘的といえなくもない。
しかし、韓国や中国から「樽買い」といって原酒を輸入し、自社で「ブレ
ンドしてブランド」だけに頼って販売している一部の清酒業界よりも「小
さな蔵」で一人の杜氏さんが感性のみで非科学的に造る「本格焼酎」の方
が消費者に支援してもらえるかも知れない。
もちろん、ブレンドでも「蔵出し」には変わらないが・・・
4.一度、試して欲しい。
イ.井上酒造は日南市から北へ約30km離れた山間の美しい自然の中に工場
が立地している。
目の前には広渡川という澄みきった川が流れており、カワセミが小魚を捕
るために水中にダイビングする光景を良く眼にする。
井上酒造株式会社
住所 宮崎県南那珂郡南郷町榎原甲1326
TEL 0987−68−1055
FAX 0987−68−1144
代表者名 寺田徳男
ロ.この工場で造られた本格焼酎さわやか「おびすぎ」は以下の酒屋で取り
扱ってくれている。
玉置酒店
住所宮崎市吉村町境目甲1540−3
TEL 0985−23−3097
FAX 0985−23−3097(TELとの切り換え)
振込先銀行と口座番号
宮崎銀行 青葉町支店 (普)1140256 玉置昭生
この酒屋のオカミサンはIBCの社長の高校時代の同級生なのだ。
宮崎市内に進出した多くのディスカウント酒屋に対して昔風の前掛けをし
て頑張っている旦那にIBCの社長がいたく感激して支援してやろうとボ
ランティアを買って出たというわけである。
1〜2本の注文の場合は最寄りの酒屋に銘柄を指定して注文して欲しい。
総め買いの場合は振り込みを実行して、FAXで注文すれば迅速に対応し
てくれるように旦那に話は付けておいた。
尚、値段等については玉置酒店に問い合わせるか、最寄りの酒店で 「
宮崎井上酒造のおびすぎ」と指名してくれゝばルートを通して手に入るは
ずだ。
1997年 2月 5日
アグロアドバイザー
一ノ瀬 正輝
E-Mail:ichinose@miyazaki21.com
所属学会
日本気象学会・日本農業気象学会
統計学会・日本リモートセンシング学会